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近視進行抑制眼鏡(ミヨスマート)が発売されました

[2026.06.05]

近視抑制眼鏡「ミヨスマート」とは

ミヨスマートは、大手レンズメーカーであるHOYAが開発した、小児の近視進行抑制を目的とした特別な眼鏡レンズです。世界50か国以上ですでに使用されており、日本でも2026年6月1日からようやく使用が可能となりました。

このレンズの最大の特徴は、DIMS(Defocus Incorporated Multiple Segments)という技術を採用し、過度な眼軸長(目の長さ)の伸長を抑制することができます。

近視進行抑制の効果に関する臨床エビデンス

通常の単焦点レンズ(普通の眼鏡)を使用した場合と、DIMSレンズであるミヨスマートを使用した場合を2年間にわたって比較した香港の研究では、以下のような有効性が確認されました。

  • 近視度数(ジオプター)の進行を平均して52%抑制
  • 眼軸長(目の長さ)の伸びを平均して62%抑制
  • 2年間で近視が進まなかった方の割合が21.5%(通常の眼鏡では7.4%)

近視の進行を食い止めることは、将来の視機能を守る上で極めて重要です。特に小学生から中学生にかけての時期は、体が成長すると同時に眼軸も伸びやすく、近視が急激に進む傾向があります。この時期に近視抑制治療を行うことで、強度近視への移行を防ぐことが期待できます。

低濃度アトロピン点眼との併用療法

ASPECT試験という臨床研究では、DIMSレンズと0.025%アトロピン(リジュセアミニ点眼液と同等の濃度)を併用した場合、点眼のみを使用した場合と比較して、眼軸の伸びをさらに61%抑制したという報告があります。また、併用群の約40%において、眼軸長の伸長が認められなかったという良好なデータも示されています。

受診スケジュールと治療の流れ

適切な治療効果を得るためには、精密な検査と継続的なモニタリングが欠かせません。当院では以下のステップで治療を進めてまいります。なお、ミヨスマートは瞳孔の中心とレンズの中心が正確に一致している必要があるため、当院内での作成・管理となります。

1. 初回受診(適応検査・処方)

調節麻痺剤(目薬)を用いて、目の緊張をとった状態での精密な屈折検査を行います。これにより、本来の近視度数を正しく測定します。さらに、非接触型の眼軸長測定装置を使用して、目の長さを0.1mm単位で計測し、治療の適応を判断します。問題がなければ眼鏡の処方箋を発行し、作成に入ります。

2. 2週間後検診(フィッティング確認)

眼鏡が完成して装用を開始してから約2週間後に、見え方の違和感やフレームの当たり具合を確認します。このレンズは周辺部に特殊なエリアがあるため、正しい位置で掛けていることが非常に重要です。フィッティングがズレていないか、無理なく装用できているかをチェックします。

3. 定期検診

その後は3ヶ月から6ヶ月ごとの定期検診を行います。度数の変化が著しい場合や、成長に伴ってフレームが合わなくなった場合には、適切な調整やレンズ交換を検討します。

副作用とデメリットに関する注意点

周辺視野の違和感?

ミヨスマートのレンズ周辺部には治療用の微小レンズが配置されているため、視線だけを端に動かして物を見ると、少しぼやけて感じることがあります。多くの場合は、物を見る際に頭ごと動かしてレンズの中央で見る習慣がつくことで、数日から数週間で慣れていきます。

装用初期のゆれ感やにじみ?

使い始めの時期は、視界に二重像(ゴーストイメージ)やゆれ、にじみを感じる方もいます。特に階段の昇り降りや運動時には注意が必要です。少しずつ装用時間を延ばしていくことで、脳が新しい見え方に順応しやすくなります。

夜間の見え方の変化?

薄暗い場所や夜間では、レンズの特殊な構造により、若干コントラストが低下したり、光がにじんで見えたりする場合があります。

 

当院における、近視進行抑制治療については、こちらもご覧ください。

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